大阪府岸和田市にある岸和田文化事業協会主催の短編映像の賞です。2019年度を「現代アート年」とし、国の登録有形文化財の自泉会館において、約10ヶ月間、毎月一映像を展示、そして、2020年1月にはアートウィークを設け、現代アートの展示とワークショップを催し、その際にも展示致します。
このアワードのテーマは「歴史」です。岸和田市は城下町で歴史ある市であり、会場になる自泉会館は渡辺節建築の優美な建物であること、5月には日本の改元があることを考慮し、古いものや新しいもの、時間、流れを感じられるような作品を募集いたしました。
5月は岸和田在住の現代アーティストであり、今年のアートディレクターである稲垣智子氏の作品をはじめに、6月からは岸和田市文化事業協会によって招待、選出された映像が一ヶ月に一映像展示されます。
上映期間 2020/3/3~3/29
作品説明
ボクはママに連れられて遠くへ行くらしい。パパとうまくいってないからだ。新幹線に乗ってオジサンのところで過ごしたボクは今までの人生を振り返ってみるーこの作品はイッサイが見つめるイッサイの世界を描いた短篇映画です。
主人公は実際の私の息子であり、物語は、彼の言葉(喃語)で語られますが、それらの言葉は日々の生活の中で録音した音になります。また、子どもの言葉には独特の節があって、劇中の音楽は、その節から生まれました。イッサイの姿を追っているうちに、色々なことに気付かされた作品になりました。
略歴
東京都出身。日本大学芸術学部映画学科卒。映画やドラマの現場を経て、現在は精力的に短編映画や映像作品を製作している。二児の父であり、近作には家族や子供をテーマにした作品が多く、一歳の子を主人公にした『サヨナラ、いっさい』は映画祭、学会や慰問上映などのイベントなど全国四十箇所以上で上映され、映画祭では最高賞を含む複数の受賞を果たした。他に、あの世を彷徨う夫婦の姿を描いた『土手と夫婦と幽霊』や、都内の深刻な保活問題を描いた『Elephant Song -A Tokyo Couple Story-』などがあり、いずれも映画祭において最高賞と俳優賞などを複数受賞している。
上映期間 2020/2/4~3/1
作品説明
日々を生きていく中で、ある瞬間目にした光景が、長く心に留まったことはあるでしょうか。そのような光景を時折ふと思い返すと、色褪せない記憶が蘇ります。同時に、幾度も思い返すことによって、少しずつ曖昧な光景に変わっていることにも気づかされます。けれど、誰の中にもそうした記憶があるのだとしたら、光と影の揺らめきのように絶えず変わっていく風景の中にも、「私/誰かが目にした物事」が、確かに存在しているのではないかと考え、この作品を制作しました。
略歴
1992年福岡県生まれ。2011年、進学を機に広島県尾道市に移り住む。2019年尾道市立大学大学院美術研究科美術専攻修了。現在は尾道市で映像作家として活動中。ドローイングや写真、映像、文章など多様な表現を織り交ぜながら作品を制作している。
<主な展覧会>
2018年 尾道市立大学大学院美術研究科 進級制作展「AM 8:00」
映像領域有志展「映像×□」
2019年 尾道市立大学美術学科デザインコース映像領域展「きづき」
作品説明
世界のどこかで“何か”が起こっている / 私たちの日常は淡々と流れいく
私たちはそれらを消費し日々を生きている / それらを紡いで歴史を重ねていく
私は、その1日をもがきながらも生きていたい
これは、2014年6月7日から一日も欠かさずに描き続けた「自画像日記」
それを繋げてアニメーションにした、とある芸術家の約4年間 1522枚分の歴史
略歴
1987年兵庫県神戸市生まれ。2010年成安造形大学造形学部デザイン科イラストレーション群卒業。リーマンショックが原因で就職活動に失敗し、イベントスタッフのアルバイト、小学校教諭、WEBデザイナーと職を転々としながら芸術活動を続けている。約2年前に結婚し、大阪府民となる。
今回の作品は、描き始めた2014年から約4年間の記録を収めている。その中ではWEBデザイナーでの2度目の転職、結婚、祖父の死、退職などの自身のライフイベントと共に世の中の気になった出来事を描いている。
<主なグループ展>
2019 第22回岡本太郎現代芸術賞展(川崎市岡本太郎美術館、神奈川)
2018 ART SHOWER NOW(海岸通ギャラリー・CASO、大阪)
上映期間 2019/10/29~11/23
作品説明
ロンドンの大英博物館で、あるライオンの彫刻に出会ったことがきっかけになり、ライオンがかつて見ていた風景を探す旅に出ることになる。旅路で中東からの紛争難民に遭遇したことで、旅は予期していなかった局面を迎える。過去と現在の狭間で翻弄されながらも旅を続けるうちに、時代を超えて繰り返される出来事や、人間の普遍的な習性や欲望が浮かびあがってくる。今回は作品の序章部分のみを上映。
略歴
1980年大阪府生まれ。テキサス州立大学芸術学部卒業、国立造形美術大学シュテーデルシューレ・フランクフルト修了。2012 年文化庁新進芸術家海外研修制度によりロンドンに滞在。現在、大阪を拠点にしながら、様々な土地に移動しながら活動をしている。
2019 木:これから起こるはずのことに出会うために、
秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
Ibasho – The place where I / we can be、
Frappant Galerie (ハンブルク、ドイツ)
予兆の輪郭、トーキョーアーツアンドスペース本郷
大地の物語、500m美術館
2018 カムイワッカへ、そして私たちの始まりへ、
CAI02 現代美術研究所
Inside Töpfern、rk-Galerie für zeitgenössische Kunst
(ベルリン、ドイツ)
2017 Quatro Elementos、
ポルト市立美術館(ポルト、ポルトガル)
撮影協力: 上田隆之、河﨑圭 参考文献: 「孤高の守護神 ゴールキーパー進化論」ジョナサン ウィルソン、「ゴールキーパー専門講座」松永成立
上映期間 2019/11/26~12/28
作品説明
世界で最も人気のあるチームスポーツの一つサッカー。勝利に向けて緊張感溢れるプレーが続く試合の中で、ボールに触れることのないゴールキーパー達の不均衡なシーンを撮影しました。ゴールキーパー達は、チームの勝利や得点が決まる瞬間にコートの最も遠い場所で、何を思考し行動しているのでしょうか。
略歴
1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。2003年成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラス修了。人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像、写真、インスタレーションを制作。2015年黄金町エリアマネジメントセンターにて個展開催。2019年「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)、「開館30周年記念特別展:美術館の七燈」 (広島市現代美術館) 出品。
2019 「まなざしのスキップ」札幌市民交流プラザ SCARTS(札幌)
2019 「デコレータークラブ ―遠近の設計図―」県北アートプロジェクト(茨城)
2019 「デコレータークラブ ―0人もしくは1人以上の観客に向けて―」Art Center Ongoing(東京)
2018 「デコレータークラブ 配置・調整・周遊」尼崎A-Lab(兵庫)
2017 「デコレータークラブ ―衝動とその周辺にあるもの―」広島芸術センター(広島)
上映期間 2019/9/3~9/29
作品説明
日常の中で気になる(魅力的な)物事に出くわすことがあります。それは、その感覚だけを残して瞬間的に過ぎ去ってしまいます。そのきらめきをどう定着するかが最近のテーマです。jewelシリーズは、時間の密度を高めることにより、宝石のようなきらめきを定着しました。
略歴
1983 岐阜県生まれ
2006 成安造形大学造形学部造形美術科彫刻クラス卒業
2019
「(self)portraitのためのエチュード」salon cojica | 札幌、
「timelake シングルスクリーン/とりまく息を吐く瞬間」The Third Gallery Aya |大阪、「3331 ART FAIR 2019」 3331 Arts Chiyoda・東京、「Kyoto Art for Tomorrow 2019―京都府新鋭選抜展―」京都文化博物館|京都
2018
「堅田*はまさんぽ~アートでまち歩き~」堅田浜通り商店街およびその周辺|滋賀、「SURFACE/フンイキ」The Third Gallery Aya|大阪、「ART OSAKA 2018」ホテルグランヴィア大阪|大阪、「Sunlight/水気」Art Spot Korin|京都
2017
「time, this time—世界の縮図とわたしの時間—」The Third Gallery Aya|大阪、「エーテル」アートスペース虹|京都
上映期間 2019/10/3~ 10/27
作品説明
歴史はポップアートに終わらない反響を聴くでしょう。歴史的な条件はアイコンとなり徐々にまとまりを見せていきます。重要な政治的なイベント、漫画、または有名なレコードカバーなど、これらがどのような歴史的に位置するのかは問題ではありません。
ニューヨークを拠点とし活動をする画家のスティーブ・キーン氏は筆の動きを最小限に使う大量生産方式の絵画の歴史を手短に見せます。彼にとってすべての絵も日々の記録です。
略歴
- 1987 Filmacademy Baden-Württemberg,
Magister Documentary Director
- since
1987 Documentary Filmmaker, Cinematographer,
Photographer
- 2006 – 2008 board of artists cooperative "FRISE" ( Germany, Hamburg
Ottensen)
Work on documentary movies for Arte, ZDF, ARD, NHK-world, etc.
Festivals ( selection):
International Forum of young Cinema / Berlinale Filmfest Hamburg
International Festival of Fine Arts Szolnok Ungarn
Blicke aus dem Ruhrgebiet, Bochum, Germany
Double Exposure Investigative Film Festival, Washington
上映期間 2019/7/9~8/4
作品説明
共通の視点、足場を持たないもの同士との間にある余白を想像すること、イメージすることへの考察。頻繁に用いられる水の循環のシーンは、「見えないもの」「見えるもの」、「いつか」と「いつか」、「何処か」と「何処か」というような異なる地点が縦横無断に繋がっていく為のモチーフである。
略歴
1988 新潟県生まれ
2013 女子美術大学大学院美術研究科修士課程美術専攻修了
現在 東京都在住
【個展】
2016 岸壁の父母No.3「隣人について-その訪問の心得」
HIGURE 17-15 cas, 東京
2014 TWS-Emerging2014「蟻と魚と鳥が出会う処」
トーキョーワンダーサイト渋谷, 東京
「Installation Studies」undo, 東京
【グループ展】
2017 「中之条ビエンナーレ2017」温泉口の家, 群馬
2014 UnknownシリーズNo.5「Unknown Nature」
Underground, 東京
2013 「女子美スタイル2012 113年-愛と誇りを抱いて-」
東京都美術館, 東京
「トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展」
東京都現代美術館, 東京
上映期間 2019/8/6~9/1
作品説明
夢を見ているのにどこか現実の景色のようで、現実にいきているのになぜか夢の中にいるような感覚に陥ることがあります。同時に成り立たないはずの世界がもし交わってしまったら、どんな情景が広がるのだろうか。そんな思いから今回の作品を作りました。
略歴
奈良県出身
同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科卒業
同志社女子大学 大学院 文学研究科 情報文化専攻
大学入学時より映像制作に興味を持ち、ポストプロダクションのイン
ターンに参加。映画「TUNA ガール」「ただ傍にいるだけで」
CM「パナソニック」「ノーベルVC3000」「くらこん」に撮影助手として参加。
ワコールWEB ムービー「ワコールのブラ工場&ここだけの下着トーク」
撮影担当。
「常世現世」が初監督作品。
最新作「白の残り香」は各映画祭に出品中。
上映期間 2019/6/11~7/7
作品説明
おっちゃん達に釜ヶ崎を案内してもらいながら撮影をした結果、彼らの記憶と共に街を歩くことになった。画面に映る風景のいくつかは既に無い。かつて労働者による暴動が頻発したイメージがあった釜ヶ崎は、撮影時には高齢化がすでに急加速していた。コマ撮りのコミカルさが呼び水となって、高度成長期から今日に至る流れの中で、この街に生きる人々の様子を垣間見ることができればと思う。高校に入学したのぼるさんは見事卒業し、ヘルパーの資格も取得して活躍中。時々、釜凹バンドとして岸和田でも路上ライブを行っている。出演者はそれぞれ新たなチャレンジを続けている。
略歴
・『ある家族の肖像』「第14回香川レインボー映画祭」他
・『釜ヶ崎・オブスキュラ』「イメージフォーラム・フェスティバル-ヤング・パースペクティヴ2017」、「那須国際ショートフィルム
フェスティバル」、「ハンダイ映像祭2016」グランプリ、WASHIDA賞他。
・『Orusuban』「第16回広島国際アニメーションフェスティバル~日本アニメーション大特集27~」他。
作品展示
「第14回広島国際アニメーションフェスティバル~ASIFA-JAPAN30周年記念展示」 他
上映期間 2019/5/11~6/9
作品説明
Project‘Doors’は2013年から始まったプロジェクトで黒いワンピースを着た作家がドアを開けて中に入るというシンプルな映像を毎年違うドアで行い、編集でつなぎ1つの映像にします。毎年撮影されることで、作家自身の変化、場所の変化を感じる作品です。2013年京都芸術センター、2014年Vermont Studio Center(アメリカ)、2015年Gallery GM-1(奈良)、2016年FRISE(ハンブルグ)、2017年天神山アートスタジオ(札幌)、2018年大阪大学で撮影されました。
略歴
生と死、自然と人工、女性性などを表現した映像インスタレーションを中心に作品を発表。近年、個展ではDecalcomanie(サードギャラリーアヤ、2018年)、Ghost(Art-U room、2017年)、TEGAMI
−稲垣智子(FRISE/ハンブルグ、2016年)、Project ‘Mirrors’ (京都芸術センター、2013年)、グループ展には、カサブランカビエンナーレ(2017年)、WROUGHT(シェフィールド、2016年)、Kyoto Current(京都市美術館、2013年)他